今日は年度末、節目にはやはり色々なことに考えが巡る。
昨日久しぶりに英国人のベンチャー企業社長と二人で夕食を共にした。グローバル投資銀行出身の彼は日本株式に長く携わっており、日本に対してはかなりの好感を持っているのだけれど、昨夜は日本の政治に対する注文に終始した。要点は、日銀総裁すら決定する能力を持ち合わせていない政府は直ちに下野するべきであること、民主党に一度で良いから政権を委ねることで早期に二大政党制を確立させ政治責任の所在を都度明確にすることが可能である体制を構築すること、規制強化・反グローバル化の波に乗らないこと、既得権益を撤廃し非効率分野の構造改革を一層進めること。至極ごもっとものことばかりだけれど、外国人の視点からの、また、彼自身の体験談や英米との実質的な比較を交えての上での主張は参考になる。
今年度は日本の地方都市を訪ねる機会に多く恵まれた。報道で何度も耳にしてはいたものの、実際に目にすると地方の実情は想像以上だった。半分近くの店でシャッターが下りている商店街にはどことなく陰鬱な空気が立ち込めていて、行き交う人々に占める高齢者の割合が極端に高いから活気もまるで感じられない。自力再生なんてほとんど望みがないのだから、公共事業依存の風潮が生まれるのも自然だと思えてしまう。効率重視を追及していては生活経済そのものが破綻してしまう、その危うさが地域全体から伝わってくる。
小泉改革が生んだというワーキングプア。今の日本の労働人口の内1000万人は年収が200万円未満らしい。この程度の収入だと自分以外の誰かを養うことが不可能だから結婚なんて望むべくもなく、必然的に将来の日本の人口動向や国力に多大なる影響があろう。大企業の資本蓄積ばかりが進行、国は衰退して、一体何になるというのだ。
資本主義の急先鋒の仕事を日々こなし、利益追求を最大公約数とする集団の中に身を投じ、社会的意義にまで考えを及ぼせば常に最良の行動を選択しているとは決して言えなくて、鏡に映った自分の姿を見て身震いを覚える時がある。特に今年度は酷かった。
明日から始まる来年度。社会と自分との接点についての考察を深化させなければならない。地元代議士の集会にも足を運んでみようと思う。
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